「キュレーター」に関するいくつかの定義

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本企画は京都芸術センター主催の「キュレータードラフト」の中で行われますが、その「キュレーター」とはどのような意味なのか。「キュレーター」という言葉は、美術関連書だけでなく、デザイン書やビジネス書にも見受けられます。このページでは「キュレーション」あるいは「キュレーター」に関するいくつかの定義を紹介します。

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p.74

キュレーターの仕事をひとことでいうならば、たとえば「展覧会」というメディアを使って何かしらを表現することと言えます。とはいえ発表の形態が必ずしも「展覧会」というかたちを取るとは限りません。ギャラリーなどでの作品展示を伴わない「アートプロジェクト」の企画運営もキュレーションのひとつであり、「書籍」の制作や監修もまたキュレーターの仕事のひとつとして数えられます。(竹久侑)


『キュレーションの現在—アートが「世界」を問い直す (Next Creator Book) 』
編集:今野綾花、川崎昌平、山口大介
フィルムアート社
2015年2月26日発行

 

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p.13

近所の店で、棚に何を置くかを決めていたのは小売商だった。こうした仕事に共通していたのは、適正なアイテムを選別し、選んだアイテムを適切な順序に並び替え、読者や視聴者、ないしは消費者にとって魅力的なコレクションに仕立て上げることだ。それから、博物館やアートギャラリーで陳列する芸術作品を選ぶことをなりわいとする珍しい人種もいて、彼らは「キュレーター」とよばれていた。


『キュレーション 収集し、選別し、編集し、共有する技術』
株式会社プレジデント社
著者:スティーブン・ローゼンバウム
監訳:田中洋
訳:野田牧人
2011年12月30日発行

 

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p.3 – p.4

「キュレーション」という言葉を用いた書物が、アートの文脈とは無関係に出版されるほど、いまキュレーション、キュレーターという言葉が市民権を得つつある。選択する、解釈するという意味ではエディターの仕事に近く、展覧会を企画し、美術館をつくったり、アーティストの新作制作に関わったりする点ではプロデューサーに近いとも言える。一方で文献、フィールドの双方に関わるリサーチャーであり、ときにアカデミックなテキストから批評テキスト、そして展覧会の広報印刷物のキャッチコピーまで考える書き手でもある。そして展覧会企画の予算から執行の流れをマネジメントする管理者でもある。


『キュレーション 知と感性を揺さぶる力』
集英社新書
著者:長谷川祐子
2013年2月20日発行

 

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p.1

そして今、フリー、シェア、に次いで、二十一世紀に求められるビジネスの新しい発想として注目されているのが、「キュレーション」(CURATION)という概念です。アメリカでは広く使われ、日本でも「成功をつかむ新しい時代のキーワード」として今後急速に注目度が上がっていくと予想されます。 キュレーションは美術館や博物館で企画や展示を担当する専門職のキュレーター(curator)に由来します。例えば美術館のキュレーターは、既存の作品、資料の意味や、価値を問い直し、コンテンツを選択して絞り込み、それらを結びつけて新しい意味や価値を生み出す。そんなキュレーターの仕事と同じ発想が、あらゆるビジネスにおいて求められているのです。


『石ころをダイヤに変える「キュレーション」の力』
潮出出版
著者:勝見明
2011年10月20日発行

 

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p.14

「キュレーター」の定義は一つに定めるものではないが、本書では便宜上、「キュレーター」とは展覧会企画をおこなう人、そして展覧会を通してなんらかの新しい提案、ものの見方、価値観を創り出していく人として定義したい。また本書で取り扱うのは、主に現代美術に携わるキュレーターである。「学芸員」については、後述するように「キュレーター」とは必ずしも同義語ではないが、日本版「キュレーター」の原型とも言える、日本のキュレーター史を語るうえで欠かせない存在であるので、本書ではキュレーターも学芸員も同じ歴史的文脈のなかで紹介していきたい。


『現代美術キュレーターという仕事』
青弓社
著者:難波祐子
2012年1月22日発行

 

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p.185

かつてキュレーターは、芸術的天才を見出し、報奨を与える存在でした。彼または彼女が書き手として、あるいはカタログやコレクションの作り手としていくら優秀であっても、明確なパワーとして強く主張されたことはなかったのです。彼らはパワフルであることには違いないのですが、それはより大きな組織的なパワーの文脈のなかでした。彼らの仕事は「偉大なアーティスト」を選び出し、神あるいは「クオリティ」の声を代弁して、アートの価値をただすことだったのです。(セス・ジーゲローブ)


『キュレーション 現代アートをつくったキュレーターたち』
フィルムアート社
著者:ハンス・ウルリッヒ・オブリスト
翻訳:村上華子
2013年8月28日発行