イントロダクションブックが完成しました

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イントロダクションブック

今回制作した「イントロダクションブック」は本展覧会の企画書であり、キュレータードラフト2017への応募資料(A4で4ページ)をもとに再構成されたものになります。私にとってのキュレータードラフトでの応募案は、この「イントロダクションブック」をひとつの終着点とし、プロジェクト全体で考えてもひとつの大きな通過点となるかと思います。というのも、このイントロダクションブックを境にして「他者への説明」が本格的に始まることになり、それは言ってみれは船出のように、予測できないことが起こることが予測されます。

 また他者への説明とは、展覧会への参加をお願いすることに他なりません。私はこのブックをもって言わば「営業回り」をすることになりますが、展覧会への参加のお願いにあたって「いま話している相手は、どのような立場で参加してもらうのがベストか」について常に明確になっていないと、余計な不安を与えてしまうことが想像できます。

 

展覧会に参加すること

とはいえ、昨今のワークショップ系プログラムや参加型のアートプロジェクトで表記されるている「展覧会への参加」について考えてみるために、参加の定義を、常に展覧会ごとに分類してみる必要がある気がしています。それは展覧会の大きさだけでなく、社会性や意味性も鑑みた上で行う必要がありそうですし、何よりどこまでを参加の範疇にするかは何よりも大切です。一方でもしかしたら「参加しない」ことを定義する展覧会の方がよっぽど参加という行為を明確化させる可能性だってあります。

さて、そのような問題意識から出発すると、今回の展覧会のケースだと「作家がいない」ので、以下の3つに分類することを考えています。

①運営協力者(主催者、デザイナー、記録者、翻訳者など)

②制作協力者(取材先、交渉先、協賛先)

③鑑賞来場者

今回の場合だと、展覧会規模や、金銭の授受の方向性よりも、「主催者が企画したプログラムの中で、キュレーター(企画者)が持ち込み企画を遂行する」という入れ子構造の方が、よっぽどややこしい状態にあると考えられます。

その点については「持ち込み企画」であることをはっきりいうことで、つまりは少しヘンな話しではあるのですが、主催者を他者と扱うことによって、実はかなり話しやすい状態を作れると考えています。

例えば①への依頼は「自己=私」から対応できます。そして②への依頼は「自己+①」から行われ、③への依頼は「自己+①+②」から行われます。そこにははっきりと参加の順番が存在しており、この手続きを踏むことがまずは説明の初歩的な所作であるように思えます。インディペンデントのキュレーターの場合は、①と②と③に、さらに⓪(=作家)を加えた概ね4者の中間に立ち、すべてのバランスを取ってゆく必要があるはずで、その場合は「〇〇展実行委員会」の形式を取った方が良さそうというのは納得できます。ただ、今回の場合ですと、主催者が京都芸術センターとなり、私は企画の持ち込み者に留まらざるをえないことが、むしろ手続きを直線的なものにさせてゆき、そうすることでしか立場を設定することは難しいと考えられます。

 

他者への直線的なアプローチ

このような段階を踏みながら進めてゆく他者への参加の催促は、一方通行になりかねない部分はありますが、手続きが簡素におこなれるというメリットがあります。また、段階を踏むことで、責任の所在をはっきりとさせることができ、合意を取りながらすすめざるをえないことが、かえって自分と相手の立場を明確にさせることにつながります。

また、このようなモノラルな手続きは、上記のように「なにかをはっきりと伝えること」に役立ちますが、実は展覧会というある種の曖昧な場を企画する上では、「はっきりと伝えない部分」を正確に残すために役立ちます。

やってみないとわからない企画や、別の言い方をすれば、なにかわからないものをはっきりさせるためにやる企画など、説明の時点で敗北が決定づけられているプレゼンテーションにおいては、「何を伝えないか/伝えられないか」を正確に把握してこそ強い説明ができると思われます。

 

イントロダクションブックの役割

そう考えると今回のイントロダクションブックの役割は、

  • ある時点までの決定稿を形にして公開すること
  • そもそも自分が含まれる組織の構成を把握すること
  • 説明する部分をより正確に伝えること
  • 説明しない部分をより明確にすること

の概ね4点のために制作されています。それは集客などの具体的な数字に、直接的につながるものではありませんが、少なくともバックヤードの整理には十分に役立つものです。これを手にこれから本格的に取材や協力の依頼に回りはじめます。